男性に葉酸サプリの摂取は絶対ではない!その理由とは?

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不妊症の原因が男性側にあることも珍しくないことは、現在周知の事実です。男性不妊の主な原因の1つとして、精子の運動率が低く卵子にまでたどり着かない「精子無力症」が挙げられており、つまり精子の質に問題がある場合が多いことが指摘されています。

 

そこで男性不妊に葉酸の摂取が効果を発揮するかもしれない、ということがオランダやアメリカの研究チームにより発表されています。例えばオランダの研究チームの実験によると、不妊男性に葉酸を26週間にわたって毎日投与したところ、正常な数の精子が増加したとのことです。

 

この実験結果を例に、妊活男性にも葉酸が必要だという意見があります。

 

では果たして本当に妊活男性にも葉酸が必要なのか?そうだとすればどのようなメカニズムで葉酸が効果を発揮するのか?を徹底調査してみたいと思います。

 

葉酸摂取によって男性の不妊は解消される?

そもそも葉酸はたんぱく質や核酸の合成を行う酵素を補助する「補酵素」の働きがあり、葉酸の助けを得て胎児はママのお腹の中で正常に成長していきます。このため妊娠中や妊娠を希望する女性は葉酸を沢山摂るように、と言われているわけです。

 

この葉酸の補酵素としての働きにより、男性が精子を作る際にも正常に細胞分裂が行われ、元気な精子を育成すると考えられます。元気な精子が沢山出来れば、卵子にたどり着いて受精する確率も高くなるわけですね。

 

逆に葉酸が不足すると精子の成長にも支障を来し、染色体異常をもった精子ができてしまう危険性があるとも言われているのです。

 

男性不妊の実態とは?

男性

そもそも不妊とは、日本においては「健康なカップルが避妊をせず正常な夫婦生活を送っているにも関わらず2年以上妊娠しないこと」を言います。

 

日本における不妊カップルの数は、およそ10組に1組。かつてはその原因は女性側にあると考えられていましたが、現在では原因が女性のみである場合は全体の41%、男性のみである場合は24%、男女ともに原因がある場合は24%となっており、男性側にも原因があるケースが全体の48%、つまりほぼ半数は男性不妊であることが分かっています。(WHO調べ)

 

またその男性不妊の原因の多くは造精機能障害であり、自覚症状がないため精液検査をして初めて分かるというケースが殆どです。このため不妊が疑われるならカップルが共に検査を受けることが勧められているのです。

 

現在この問題を受けて、厚生労働省により「不妊に悩む方への特定治療支援事業」が設置され、男性不妊治療に対しても1回に付き上限15万円が助成されることが承認されています。

 

男性が摂るべき葉酸の推奨摂取量は?

葉酸は妊活中でなくても血液を作るなど体にとって必要なビタミンですから、男性であれば1日当たり240μgの葉酸を摂取することが勧められています。(参照:日本人の食事摂取基準)

 

妊活中の女性であれば「食事から摂取する葉酸240μg+サプリメントなどから摂取する葉酸400μg」が1日当たりの摂取推奨量ですが、妊活男性の場合はそれほどではありません。大体240〜400μgを目安にすれば良いでしょう。

 

ただ、葉酸は水溶性ビタミンであるため水に溶けやすく熱にも弱いため、葉酸を含む食品を摂ろうとしても、その調理過程で壊れたり流れ出てしまったりすることがあります。厚生労働省によると、実際に体内に摂取できる葉酸は、その食材の含有量の約50%にまで落ちてしまうとのことです。

 

男性に葉酸サプリの摂取は絶対ではない!その理由とは?

答え

このように葉酸は「摂れている」と思っても、実際に体が吸収する量は半分にまで落ちてしまう為、妊活中の女性はサプリメントなどを利用して、1日当たり400μgの葉酸を摂取することが勧められています。

 

では男性の葉酸摂取についてはどうかと言うと、実は諸外国における各政府機関でも日本の厚生労働省からも、特に妊活男性に推奨されている栄養素と見なされているわけではありません。

 

というのも、今までのところ男性不妊に対する葉酸の効果が科学的に実証されていないからです。

 

従って、妊活男性はサプリメントで葉酸を補充した方が良いという科学的根拠はありません。勿論葉酸には血液の生成を助けるなど体に必要な働きをしますから、摂ってはいけないということはありませんが、妊娠成立に不可欠!というわけではないのです。

 

30代男性で推奨量240μgは食事でクリア

妊活男性の葉酸サプリの必要性については科学的根拠がないことに加え、そもそも普通の規則正しい健康的な食生活を送っている20〜30代男性であれば、食事によって必要摂取量を十分カバーできているという事実もあり、わざわざサプリで補う必要はないことも指摘されています。

 

統計によると、30代の日本人男性の平均葉酸摂取量は、1日当たり289μg。推奨量である240μgを軽く超えているわけです。

 

参考までに食品の葉酸含有量を挙げてみますと、枝豆で100gあたり260μg、ほうれん草で210μg。鶏レバーなら1300μgも含まれていますから、これらの食品を食事の中に取り込むだけで、1日当たりの摂取量が賄えてしまう計算になります。

 

特に緑黄色野菜や海苔などの海藻類、納豆などが大好き!という人なら、毎日推奨量240μgをはるかに超えた葉酸を摂取しているかもしれません。もっとも、葉酸はサプリから摂る場合に注意が必要ですが、自然の食品から摂る場合なら過剰摂取による過剰症の心配はないとされています。

 

好き嫌いが多い方にはサプリも有効

先ほど「普通の健康的な食生活が送れているのであれば」と述べましたが、逆に言えば健康的な食生活が後れていない場合には、葉酸不足になる可能性があるということです。

 

というのも、葉酸が多く含まれている食品とは鶏や牛・豚のレバーを別にすれば、ほうれん草、モロヘイヤ、小松菜、春菊などの緑黄色野菜に多く含まれているからで、野菜嫌いで偏食の傾向にある人は結果として葉酸が不足するかもしれないのです。

 

従って、偏食傾向のある人には葉酸サプリも有効でしょう。

 

211人の男性を対象にした実験では葉酸摂取で正常な精子が増加

「『男性に葉酸が必要!』と言われる理由とは?」の部分でオランダの実験についても触れましたが、実はこの実験に関しては疑問視する声も上がっています。

 

というのも、この実験は不妊症男性とそうでない男性合わせて211人を対象者とし、26週間にわたって1日5mgの葉酸と66mgの亜鉛を併用して投与した結果、正常な精子の数が増加したというもの。

 

この211人という数は科学的根拠として挙げるには少なすぎますし、この実験が行われたのは2002年で、それ以降葉酸と男性不妊の関連を証明するための実験は行われていません。

 

本当に可能性の高い実験であれば繰り返し行われ確実な科学的根拠を得ようとするはずですが、それが行われていない点を考えると、それほど葉酸と男性不妊とに関連性があるとは思えなかったと考えざるを得ません。

 

葉酸が確実に必要なのは女性!男性は無理して飲む必要なし

答え

一方、妊活中や妊娠中の女性が葉酸を摂ることは科学的根拠に基づき厚生労働省より推奨されています。

 

葉酸は胎児の細胞分裂を促し成長を助け、無脳症や神経管閉鎖障害などの先天性異常のリスクや早産・流産のリスクを下げ、妊娠中の貧血を予防するといった効果を持ちます。

 

一方妊活中の男性に関しては葉酸の必要性が科学的に証明されていないうえ、普通の食生活を送っていれば不足することもないため、意識的に葉酸を摂る必要はないと結論できます。

 

むしろ気をつけたいのは、タバコやストレス、体にフィットしたズボンを履くなどして精巣周囲を温めてしまうことです。これらの習慣により精巣の機能が低下すると、不妊の原因になる危険性があります。

 

まとめ

答え

妊活女性に欠かせないとされる葉酸は普段の食事からでも多く摂れますが、調理の過程で失われることもあるため、サプリメントなどで毎日400μgを補給するようにと推奨されています。従って人気の葉酸サプリ「ベルタ葉酸サプリ」は妊活女性にお勧めです。

 

一方妊活男性に対する効果ですが、一部では葉酸のもつ正常な細胞分裂を助ける働きにより正常な精子を作るのに役立つという意見もありますが、今のところその科学的な根拠は見つかっていません。

 

男性の1日当たりの葉酸推奨摂取量は240μgで、これは普通の健康的な食生活を送っていれば十分賄える量ですので、わざわざ葉酸サプリから摂る必要はないかもしれません。